大相撲と宝塚
大相撲春巡業で舞鶴市長が土俵上で倒れ、救命措置をした複数の女性に若手行司が場内アナウンスで土俵から下りるよう求めたのがきっかけに、女性が土俵の上に上がってはならないという「女人禁制」の議論が再燃しているそうだ。
その2日後に行われた宝塚市での巡業で、中川智子市長が、巡業の開催地の首長が男性であれば、土俵の上に立つと指摘したうえで「女性という理由で土俵の上であいさつできないのは悔しい」と土俵下から述べたらしい。
中川市長は「女性が土俵に上がれないとしても、首長は男女平等であるべきだ」と主張しているとのこと。
大相撲に限らず、伝統なんてものは、合理性は倫理性などいうものとは関係がなく、ただ一つのルールでずっと続いているということに価値があるのではないかと思う。
宝塚歌劇団が他の劇団とは違う特別な雰囲気があるのは、創立以来100年以上、女性のみが舞台に立って劇を行うという伝統を守ってきたからでなないだろうか。
ちなみに、私が唯一行った海外旅行である、バリ島のキンタマーニ高原にある寺院は、昔、女人禁制だったらしい。
キンタマーニ高原には、ちょっと苦い思い出がある。
東京でシステム開発の仕事をしていたとき、海外旅行が趣味の意識高い系女子たちと仕事をしていたことがある。
仕事の打ち上げの際の懇談会で海外旅行の話になった。
「海外で好きなところはどこですか?」と聞かれ、私はバリ島しか行ったことがなかったので、「バリ島良かったですよ。」と答えた。
そうしたら続けて「バリ島のおすすめスポットは?」と言われて困ってしまった。
海も山もバリ島は全てバリとしか認識していなかったのだが、ここで答えられなかったら、海外のことは詳しくないんだと思われてしまう。
必死で頭を回転させて、ようやく出てきた地名を勢いよく言った。
「キンタマーニ高原!」
その瞬間、意識高い系女子たちの表情がこわばり、沈黙がその場を支配した。