小学校のトイレ

私が小学生の時、学校で大の方をするのは、よっぽどのことだった。

もしトイレの個室で大の方をしているのが見つかった日には、見つけた子は、裁判のニュースで有罪か無罪かの判決結果を伝えにカメラの前に走る記者のごとく、教室に戻り、大きな声で「○○がうんこしてるぞー」と叫んだものだった。

そんな様子を先生は心配して「うんちをすることは汚いことではありません。我慢していると体を壊してしまいます。我慢するのはやめなさい。」と真剣な顔でおっしゃっていた。

大人になった私は、職場でもどこのトイレでも、大をすることができるようになった。むしろ家より職場のトイレで大をした方が落ち着くぐらいだ。

今日も職場のトイレで大をしながら、ふと小学校の先生の話を思い出した。

「先生、もうみんながいるところでもうんこできるようになったよ。」

あの時の先生に、今の成長した自分を見てもらいたいと思った。